はじめに
まずは、企画書と台本作りからはじめていきます。
その前に、レポートでも絵でも音楽でもいいんですが、
あなたはなにかを作っていて、完成した作品が「イマイチよくない」ということはありませんか?
「アイデアを思いついたときは斬新だったはずなのに…」
「作っているうちに、やりたいことや目指していた雰囲気からどんどんズレちゃった…」
せっかく時間をかけて作ったのに、しょっぱい気持ちになりますよね。
制作中に降ってきたアイデアを「あれもいいよね!それもいいよね!」と盛り込みすぎて、
結局収拾がつかなくなってしまうことってありがち。筆者もそうです。
では、どうすれば「最後まで芯の通ったちゃんと伝わる作品」を作れるのでしょうか?
結論から言うと、
「企画書と台本をしっかり作り、最初に決めたテーマを最後まで意識すること」でできます!
何をするにしても、最初が肝心!初志貫徹!
動画作成も、企画や台本がしっかりしていると、作品のクオリティが一気に高まります。
もしあなたが「企画のまとめ方とか、台本の書き方なんてわからないよ…」と不安になっているなら、心配ありません。
大丈夫。安心してください。めっちゃかんたんですから。
この記事を読みながら、アイデアを具体的に書き出していくだけで、ポイントをしっかりおさえた企画書と台本が作れちゃいますよ。
骨格のしっかりした企画書と台本さえできれば、動画作品の5割くらいは完成したようなものです。
さあ、心の準備はできましたか?
では、下のアウトラインに沿って、できるだけわかりやすく解説していきますね。
- 企画書、台本の役割を知ろう
- 被写体、テーマ、アプローチを決めて企画書を作ろう
- 具体的な内容を並べて台本を作ろう
さっそく見ていきましょう!
企画書、台本の役割を知ろう
動画を作成するには、まず企画書と台本作りからはじめます。
が、その前に。
「企画書」と「台本」は、それぞれ何をするものなのか、ご存知でしょうか。
ここではかんたんに確認しておきますね。
- 企画書 = 被写体やテーマ、アプローチを決めること
- 台本 = 具体的な内容を、動画の時間の流れどおりに並べること
会社で作成する企画書は、タイムスケジュールや担当者、予算などもっと具体的に盛り込みます。
ですが、この記事では初心者がかんたんに作れるように、ポイントだけをおさえて作ります。
なので、「被写体」「テーマ」「アプローチ」の3つでOKです。
さて、「被写体」、「テーマ」、「アプローチ」という単語が出てきましたね。
こちらも確認しておきましょう。
- 被写体 = 撮影する対象
- テーマ = 撮影する目的
- アプローチ = 被写体の見せ方
…と言っても、単語だけではピンと来ないかもしれません。
具体的に例を見ながら、それぞれの重要性を確認していきましょう。
被写体(撮影対象)の選び方
さあ、あなたは何を撮りますか? もう決まっていますか?
はじめての動画撮影の場合、「被写体」は自分の身近なものや好きなものでOKです(だれかからのオーダーがない限り)。
たとえば、飼っているペットや子ども、仲良しの友人グループ などなど。
あ、他人を撮る場合は、「動画にして公開するけどいい?」と必ず許可をもらってくださいね。
肖像権トラブルって、TwitterやYouTubeなんかでも多いですからね。
撮影していて楽しいもの、魅力を感じるものなど、あなたがいろんな人に共有したいと思うものを選ぶと良いですね。
テーマ(撮影の目的)の決め方
ものを作るときに、一番深く考えなければいけないのは目的。
「作品を観た人にどう感じてもらいたいか?」ということです。
たとえば、
「少し高めのお茶のペットボトルを売りたいメーカーの人」は、
「お金を持っていそうな人に、買ってもらいたい」と考えて広告制作を依頼します。
この「ターゲットに○○な気持ちになってほしい」という部分が、テーマ(目的)なのです。
つまり、動画作成に置き換えると、
「被写体を通して、観る人に○○な気持ちになってもらおう!」ということが、撮影の目的になるわけです。
ここで決めた目的が、動画全体を方向づけるコンパスになります。
「お金を持っていそうな人に、少し高めのお茶のペットボトル買ってもらいたい」なら、
「ほかのお茶より高級感のあるパッケージデザインにしよう」という方向性を決められるようになります。
方向性が具体的になると、
「プレミアム感のある配色にしよう」とか、
「品質の良さをアピールしよう」とか、
「商品名には、親近感のあるフォントは使わないでおこう」とか、
「すること」と「しないこと」のルールを決められるようになります。
だからテーマをしっかり決めることが大事なのです。
超人気漫画の麦わらの海○団も、ログポースというコンパスを見ながら、冒険を進めていますよね。
あなたも、撮影中にここで決めたログポースを何度も見返して、クオリティの高い動画を作りましょうね。
アプローチ(見せ方)の決め方
魅力的な被写体を「どんなふうに」見せるか?を具体的に考えていきます。
さっきの高めのお茶の例だと、目的を立てて方向性が決まったことで、
「すること」と「しないこと」のルールができましたね。
そのルールをもとに具体的なアピール案を出していきます。
たとえば、
「深い緑と金色の配色にしよう」とか、
「『○○産高級茶葉100%使用』のコピーを入れよう」とか、
「洗練された明朝体にしよう」 など。
考えつく限りのアイデアを出して、ルール的にOK、NGを自分で出しながら、アイデアを淘汰していきましょう。
もし、たくさん見せ方を思いついた場合は、
「観る人(ターゲット)にはどちらがわかりやすいか」とか、「目的を達成するためにはどちらが効果的か」という視点で決めると良いですね。
決めきれなかったら、最終的には「どっちが自分は好きか」で決めます(笑)。仕方ない。
被写体、テーマ、アプローチを決めて企画書を作ろう
さて、ここでは実際に企画書を作っていきます。
例として今回は猫の動画を作成しました。猫だいすきなんですにゃ。揺るぎないもふもふへの憧れ。
あなたも例を見ながら、手もとの企画書にアイデアを書き入れていってくださいね。
猫動画作成時の企画書例
- 被写体=お気に入りの猫カフェの紹介
- テーマ(○○を伝えて、観る人に○○になってもらいたい)
=猫カフェの猫のかわいい仕草を伝えて、観る人にも猫カフェの良さを知ってもらいたい
方向性:「ほっとひと息ついてHAPPYだからやさしい感じ」をだしたい
→かっこつけすぎない(NGルール)
→猫の毛並みたいなゆるふわな感じを出す(OKルール)
→やさしさが大事(OKルール) - アプローチ(○○を”どんなふうに”見せるか)
=「日常的な猫カフェの猫のかわいい仕草」と「店内」を見せる
具体的な内容- 店内の雰囲気
- 店内を自由に猫がうろうろしているところ
- 毛づくろいしているところ
- いろんな種類の猫がいるところ
- お客さんのリラックスした感じ
こうしてみると、「企画書」というお堅い言葉のわりに、全然むずかしいことなんて書いていません。
でも、きちんと「やりたいこと」と「やらないこと」が決まっていて、わかりやすいですよね。
これで企画書は完成です。
では、いよいよ台本作成に入っていきます。
具体的な内容を並べて台本を作ろう
台本づくりもかんたんです。
アプローチで出した「具体的な内容」のアイデアを、見せたい順番に並べるだけ。
たとえば見せたいものを、
「一日の過ごし方に沿って紹介する」とか、「私の思うカワイイポイントベスト10を紹介する」 など。
そう、むずかしく考えなくて良いのです。
今回の猫動画の場合は、
- ワイドな部屋全体の映像 (→部屋で飼ってるんだな)
- ねこ全体まで入っている映像 (→猫の話が始まるんだな)
- 何かをしている、アップの映像(→かわいいんだな)
- 別のアップの映像(→かわいいんだな)
- ねこ全体(→かわいい猫だったな)
- 部屋全体(→余韻に浸る部分)
まず店内の全景を見せて場所と場所の雰囲気を明らかにして、猫の可愛さに迫っていくようにしています。
猫カフェがどんな場所かわかりやすく伝える目的も、猫の可愛さをアピールする目的も達成していますね。
そうすると…ハイ!
台本のできあがりです。
もちろん、プロの人が書いたものとはちがいますが、これも立派な台本です。
ちなみに、時間配分などを決められるようになるのは、プロの域に達してから。
人が動いているシーンなら秒数も計れますが、
街や物の全体を見せるなどの静止画だと、「どのくらい見せれば良いか?」という時間間隔は計りづらいですよね。
なので、入れたいシーンを順番に並べて、全体のバランスを見ながら動画編集で調整していきましょう。
まとめ
はい、おつかれさまでした。
これにて、動画作成の基本第1章は終わりです。
この記事で一番言いたかったのは、「企画書、しっかり作ろうね!」ということです。
クオリティの高い動画を作る第一歩。しっかりアイディアを出し切りましょうね。
次はいよいよ撮影です。機材選びもご紹介していますよ!