突然ですが、撮影のときの手ブレ、気になりませんか?
「もっとなめらかな映像を撮りたい」「ダイナミックな動きでも手ブレしていない画がほしい」と思うようになると、「ジンバル」の存在が気になることと思います。
「ジンバルを使えば、全然ブレなくなるって聞くけど、本当はどうなの?」
「初めて買うなら、どのカメラジンバルが良いの?」
「そもそもジンバルってなんなの?」
と、たくさんの疑問もまた生まれることでしょう。
今回は、映像に情熱を注ぎ始めたあなたに贈るジンバルの解説編です!
難しいテクニックは不要!ジンバルの基本的な役割から、ジンバルありなしの映像比較、代表的なジンバルや扱いやすいジンバル搭載カメラ「Osmo Pocket」のご紹介と選び方、よくやる立ち回りまでを詳しく解説していきます。
ジンバルを使えば手ブレが抑えられ、あなたの映像がより魅力的になること間違いなし!
ジンバルは手ブレを機体で制御する機材
カメラ用のジンバルは、複数の回転体(ローター)から構成される機器です。
スタビライザーとも呼ばれ、ジンバルの内側にカメラを置くと、その他の回転体が自然に水平を保つように動作。
この動きを利用すると、カメラマンが動いても手ブレしないなめらかな映像が撮れるようになります。
昨今の映像業界では、電動の3軸ブラシレス・ジンバルと呼ばれる物が主流。
搭載したカメラの首ふりを電子制御でき、より細やかで複雑なカメラワークが実現します。
最近のビデオカメラやデジタル一眼カメラ、GoProなどのウェアラブルカメラにも「手ブレ補正」の機能がついていますが、大幅な補正は難しく、データを補正するタイプでは画質低下にもつながります。
アプリ「Googleフォト」にも「手ブレ補正」の機能がついていますが、撮影後の記録データを補正するものなので、やはり画質低下は免れません。
しかし、カメラをジンバルに搭載すると、細かいブレだけでなく、撮影者の歩行時の振動さえも補正してくれるようになるのです。
さっそくジンバルのありなしで、どれだけ映像が変わるのか、比較を見てみましょう。
ジンバルありなしではこんなに違う!
これはもう、一目瞭然ですね!
撮影後のデータに手ブレ補正をかけるより、ジンバルにカメラを搭載して撮影した方が、格段にスムーズな動きの映像が撮れるのです。
しかも手ブレがないだけで、一気にプロのような仕上がりに。
定点撮影で流暢な動きをサポートするのがビデオカメラ用三脚なのに対し、移動アリの撮影で流暢な動きをサポートするのがカメラジンバルなのです。
ビデオカメラや三脚、マイクも買った、という方が次に欲しくなるのがジンバル。
歩きながら撮影したり、勢いづいた映像を撮るためにカメラを振ったりといった撮影シチュエーションには、ぜひ1台欲しいところですね。
ジンバルの選び方と基本のセッティング
ひと口にジンバルと言っても、さまざまな種類があります。
たとえば、両手で持つ大型のものから片手で持てる小型のものまで。
ジンバルの大小は、使用するビデオカメラの重さによって決まります。
大型の重いカメラの場合は、当然ジンバルにもそれなりの重量が必要。
みなさんが使用するカメラの重さに合わせて、ベストなジンバルを選んでくださいね。
基本のセッティング
さて、冒頭でもお話しましたが、ジンバルは回転台です。
カメラとジンバルのバランスを調整して、釣り合わせておく必要があります。
3軸なので3カ所のねじを調整するよ!
ジンバルは、この最初のセッティングが重要です。
慣れるまでは、難しいですし、時間がかかります。
初めて使うジンバルや自信がないときは、「いざ撮影!」というときに困らないよう、練習しておくといいですね。
メジャー機種のご紹介
でも後で紹介するOsmoPocketだけは、難しいセッティングが必要ありません。
ひとまずすべて見てみましょう。
ジンバルシステムRonin2
- 載せられるカメラ:業務用ビデオカメラ、映画用カメラ、一眼レフなど小型~大型カメラ
- 使い方:ジンバルとカメラを釣り合わせて水平にセッティングし、手に持つ。細かい首ふりの速度などは、専用アプリで調整する。
最初のセッティングが、初心者にはわりと難易度高い。プロ用カメラを載せられる仕様のためジンバル自体に重量があり、サポートアームが必須です。
ハンドヘルドカメラ用ジンバルシステムRonin-M
- 載せられるカメラ:小型の業務用ビデオカメラ、一眼レフなど
- 使い方:ジンバルとカメラを釣り合わせて水平にセッティングし、手に持つ。細かい首ふりの速度などは、専用アプリで調整する。
プロ用だけあってなめらかさは◎。動きやすい!が、上腕二頭筋はやはり必須です。ダイエットに効く。やはりサポートアクセサリがあるといいですね。
ハンドヘルドカメラ用ジンバルシステムRonin-S
- 載せられるカメラ:ハンドヘルドカメラ、一眼レフなど小型~中型のカメラ
- 使い方:ジンバルとカメラのバランスをとって水平にセッティングし、手に持つ。細かい首ふりの速度などは、専用アプリで調整する。
Ronin-Mの小型版。だけど、それでも片手持ちできない程度の重さが。狭いところに入れるのはいい。で、やっぱり最初のバランスをとるセッティングが初心者には難易度高い
スマートフォン専用ジンバルシステムOsmo Mobile2
- 載せられるカメラ:スマートフォン
- 使い方:ジンバルとカメラを釣り合わせて水平にセッティングし、手に持つ。アップデートやスマホとドッキングして撮影する際に、スマホアプリのダウンロードが必須。
外国人観光客が持ってるの見たことある!タウンユースするには、やや大きい。スマホで撮影したい人にはおすすめ。水平バランスのセッティングはそこまで難しくない。
小型3軸ジンバルカメラOsmoPocket
- 載せられるカメラ:本体にカメラがついている仕様(載せられない)。スマホにドッキングできる。アップデートやスマホとドッキングして撮影する際に、スマホアプリのダウンロードが必須。
- 使い方:電源を入れて手に持つだけ。専用アプリと連動させたいときは、スマホとドッキングする。
水平バランスの設定は勝手にやってくれるし難しくない。すぐに撮れる。カメラ画質もスマホより◎。音声ももちろん収録OK。握った手でマイクを塞いでしまわないよう注意。ただし、機器自体が軽いためプロ用と比較するとブレは生じる。
OsmoPocketのコツ
OsmoPocketのメリットはなんといってもとても小さいこと。
でも機体が小さくなればなるほど、ブレやすくなってしまいます。
OsmoPocketの場合、スマートフォンよりはブレにくいとはいえ、下半身の動きや腕、手首の動きで振動を拾ってしまうことも。
使い方のコツとしては、手首は脱力し、落とさない程度に軽く機体を握り、脇を締めて撮影するのがおすすめです。
プロ用の「Ronin-2」や「Ronin-S」は、ジンバル自体にそれなりの重さがあるので、サポートしてくれるアームやベルトなども一緒に購入されることをおすすめします。
むしろ、それがなければ二の腕を鍛えている人以外は、柔軟な動きどころか、動き回ることもわりと厳しいです。
スマホで動画撮影する方は、「Osmo Mobile2」か「Osmo Pocket」どちらを買うかでお悩みになるかもしれません。
しかし、ここはぜひ最新機種のOsmo Pocketを選んでください。
というのも、最新のiPhoneよりも「Osmo Pocket」の方が、カメラ画質がきれい。特に影になった部分のディテールや夜間撮影でそれがよくわかります。
「スマホは撮影とは別に使いたい」「SDカードにデータを貯めて、スマホの容量を圧迫したくない」という方にもおすすめ。
スマホにドッキングするのも手間取りませんし、携帯性も抜群なので、ぜひOsmo Pocketを試してみてくださいね。
ジンバルを使ったよくやる立ち回り3つ
移動しながら撮影
ジンバルと言えばこれ!移動しながら撮影する立ち回りです。
極限までブレを減らすことによって、まるでドリー(撮影用移動車)で撮影したようななめらかな映像が撮れます!
また、走ってみても、勢いの増したおもしろい映像ができますよ。
腕を上下に動かすカメラワーク
ジンバル装着したカメラを持って、その腕を高く上げたり、地面スレスレまで下げたりといった立ち回り。
カメラの高さが変わることで、普段撮影する人の目の高さと違った新鮮な画角になります。
また、高さを維持するだけでなく、下から上へ、あるいは上から下へ振ると、撮影用クレーンを使って、下から飛び立ったり、上から着地したりといったような映像を撮れます。
回転
対象物のまわりを「ぐるぐる回る」立ち回りです。
レール敷きのドリー車や、ハンドル付きの車での撮影等では、どうしても小回りが利きません。そんな時、ジンバルを使えばスムーズにかんたんに撮れちゃいます!
ジンバルを最大限活用した撮影のコツ
「ジンバルを使えばブレない!」
とは言え、さすがにブレやすくなってしまう状態もあります。
人が手に持つものですからね。
特に撮影しながら移動するときの振動。
歩いたり段差を上がったり下がったりすれば、やはりブレは生じてしまいます。
プロでも悩む問題です。
大切なのは、極力歩かずに済むように考えること。
多少の上下なら、移動するより、腕を伸縮させてカバーする方が◎。
歩かないと当然ブレませんので、体をいっぱい使ってカバーする方法を考えてみてくださいね。
次に大切なのが、歩き方。
ひとつめのポイントは下半身。
特に、膝はまっすぐ伸ばさず、軽く中腰を意識しながら、足の裏を踵から静かにつけるようにしてください。
イメージは、忍び!音を消すのです!気配を殺すのです!
1カットが短い場合は、特に有効だぞ!
TwitterでDJI社がOsmoウォーキングとして、動画で紹介しています。お試しあれ。
ブレを抑えるカメラスタビライザーを使いこなすためには、独自のウォーキングスタイルを実践する必要があります。今回は、#DJI #Osmo / #OsmoMobile ユーザーの方々に、「Osmoウォーキング」の紹介映像をお届けします。 pic.twitter.com/zbQGHEfEWP
— DJI JAPAN (@DJIJAPAN) 2017年1月6日
まとめ
手ブレの軽減ひとつで、あなたの動画制作を劇的に変えてしまうジンバル。
使うカメラに合わせて、最適なジンバルを選ぶのがポイント。
また、移動の際は、体全体を使ったり、歩き方に気をつけて、ブレに配慮することも大切です。
なめらかなカメラワークと、ジンバルを使ってこそ実現できるダイナミックな動きで、ひと味違った作品を作ってみてくださいね!
番外編:プロの力を借りる!
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