テロップはもともと商標だった
テレビ番組やYouTubeなどの動画サイトでよく見聞きする「テロップ」。
テロップ(TELOP)は、映像上に文字や画像をのせる表現のことを総称して言います。
「Television Opaque Projector(テレビジョン オペーク プロジェクター)」という商標だったものが、一般化したものなんだそうです。
映像に文字を表示する「字幕スーパー」という単語もあります。
字幕スーパーは、「複数のものを重ね合わせる」という意味の Superimpose (スーパーインポーズ)から来ている言葉です。
由来は異なりますが、いまではテレビ用語としてテロップと同様の意味で使われています。
単に「字幕」や「スーパー」とも言いますよね。
ちなみに出演者の言葉にテロップをつけて強調する方法は、
「関西のお化け番組」と呼ばれるバラエティ番組「探偵ナイトスクープ」が最初なんだとか。
普段なにげなく見ているこのテロップ、映像においてとっても大事な役割を果たしているんです。
今回はテロップの重要性と、よく使われるデザイン、おすすめのフォント、テロップをかんたんに作れるツールをご紹介。
動画に挿入するだけで、一気にプロっぽくなるテロップのこと、かんたんに勉強しちゃいましょう!
テロップは第3のコトバ!その重要性
ニュースやバラエティ番組などは、「視聴者に伝えたい内容が間違いなく伝わる」ことに重点が置かれています。
言いたいことを率直に伝えるために、
- 1つ目として「動画で伝える」
- 2つ目として「音声で伝える」
- 3つ目として「テロップで伝える」
という原則が、現場では意識されています。
「動画」、「音声」、「テロップ」。
これら3つの役割は、それぞれまったく違います。
「動画」は、ざっくりした情報と印象を伝えられます。
「音声」は、詳細な情報を嫌味なく伝えられます。
「テロップ」は、詳細な情報を強調して伝えられます。
テロップは、「ただ文字として書き起こせばよい」というわけではないのです。
あなたもスマホでメッセージを送るとき、雰囲気や気持ちが伝わるように絵文字を選びますよね。
漫画の吹き出しや書き文字なんかも、場面によってさまざまなフォントが使われています。
使うフォントや文字の大きさなどによって、視聴者に与えるイメージを変えられるテロップ。
テロップは、強調したい情報を「動画」とも「音声」とも違う手法で表現しているのです。
よく使われるテロップのデザイン
エッジ(境界線、枠線、縁取り、白抜きとも呼びます)
エッジは、文字を別の色の線で囲む方法です。
背景の上に乗せても文字を判別しやすく、文字が読みやすくなる効果があります。
グロー(光彩)
グローは、ぼんやりとしたぼかしを文字の形に沿って入れる方法です。
ネオンやイルミネーションなど、ライトのように見せられます。
特に夜空や暗い場所などの、濃い背景に映える表現です。
ドロップシャドウ
ドロップシャドウは、文字に影をつける方法です。
文字を立体的に見せることができ、わりと背景を選ばずに伝えたいことを強調できます。
テロップベース
テロップベースは、テロップの下に敷く帯状の画像です。
「座布団」「マット」と呼ばれ、敷く形状によって呼び方が変わります。
横全体に伸びるものは「帯テロップ」、伸びないものは「板テロップ」とも呼ばれます。
エッジ、グロー、ドロップシャドウでも強調しにくい、複雑な背景のときにテロップベースを敷くと、テロップのための領域が確保されるので、格段に文字が読みやすくなります。
テロップにおすすめのフォント
女性ウケ、高級感を狙うなら明朝体
本や雑誌など、長い時間読み続けるものは疲れにくいという理由で、明朝体が多く使われています。
ただ、明朝体は横の線が細く、低画質の場合見にくくなってしまうのでご注意ください。
使いやすさ一番!小塚シリーズ「小塚明朝」
ウェイト(太さ)も数種あり、横の線も細すぎずに見やすいです。
Adobe製品をお持ちだと、自動的に入手できますよ。
明朝なのに太くできる!「あおぞら明朝」
先ほどあげた「見にくくなる」というデメリットを解消してくれるフォントです。
しかもフリー!
あまり太くしすぎると、逆に明朝っぽさが無くなってしまいますのでご留意ください。
フォントのダウンロードは、こちらのサイトからどうぞ。
男性ウケ、カジュアルを狙うならゴシック体
縦画と横画の太さが均一なゴシック体は、一瞬見ただけでも判別しやすいため、ニュース番組では決まって使われています。(たぶん)
ゴシックも使いやすい「小塚ゴシック」
明朝体に続いて使いやすい、小塚ゴシックです。
特に細いものは見た目に美しく、可視性を犠牲にしても細くする価値もあります
バラエティ番組で大活躍の「ルイカ」
シンプルで使いやすいフリーフォントです。
ウェイトがたくさんあるのがうれしいですね。
テレビでもよく見るように、バラエティではこの太字が頻繁に使用されます。
それくらい使いやすいということですかね。
フォントのダウンロードは、こちらのサイトからどうぞ。
こちらもおすすめ!フォントワークスの「LETS」
さまざまなバラエティやアニメなどでも使われている、フォントワークス社の「LETS」。
定額制使い放題で、さまになるフォントがたくさん!
テロップ制作はもちろん、デザイン業務にもおすすめです。
テロップをかんたんに作れるツール
テロップは昔、映写機で作成され映像と組み合わされていました。
スマホでもできる手軽なものから、放送局御用達の専用機まで、様々な種類があります。
プロが使う専用機は「テロッパー」と呼ぶんですよ。
現在ではパソコンによるテロップ作成が一般的。
デジタル化の流れで「画像データ」をテロップとして利用する機会が増えてきました。
わかる人のために書くと、「透過PNG」を映像に重ねるだけで、オリジナルテロップの作成は完了です!
MediBangpaint
スマホ、タブレット、PC、Macすべてで使えるフリーのペイントソフト。
フォントもたくさん種類があるので、かんたんに透過PNGが作成できます。
MediBangpaintのダウンロードは、こちらのサイトからどうぞ。
スマホの方はアプリ検索してくださいね。
Photoshop
プロも使うペイントソフト。月額2,180円。Lightroomとセットだと月額980円。
紹介した小塚フォントも使えて、ドロップシャドウや境界線もかんたんにできます。
期間限定の無料体験版もダウンロードできます。
同じAdobe社のIllustratorでもテロップ作成が可能です。
Photoshopのダウンロードは、こちらのサイトからどうぞ。
テロップを入れるときのコツとルール
サイズ
映像を見る距離を考慮して、文字サイズを決定しましょう。
テレビで見る場合は多少小さめでも大丈夫です。
スマホなどを想定している場合、案外見えないので大きめに設定しましょう。
セーフマージン(セーフティゾーン)
映像の外側5%~10%は文字を配置しないようにしましょう。
あまり外側すぎると、文字が切れてしまったり、YouTubeのシークバー(再生進度を示す棒)と重なったりして見にくくなります。
音声と別の情報を表示する
喋っている言葉をそのままテロップにする必要はありません。
むしろ避けましょう!
喋り言葉を文字にする場合は要約したり、不要な部分を削ったりして、「パッと見」で分かるようにするのがベストです。
番外編:プロの力を借りる!
かっこよく編集したいけど機材もスキルも時間もない!…そんなときは、プロの動画編集者に任せてしまうのもオススメです!
高い専門性を持ったプロが多数登録しているサービス「ゼヒトモ」なら、あなたの希望を叶えてくれる動画編集者をきっと見つけられますよ。
数問の簡単なアンケートに答えるだけで、あなたの目的に沿ったプロをAIが自動で紹介してくれます。
興味のある方は、ぜひ試してみてくださいね。